ボーナスファミリーが価値観の違いで苦労する理由

ボーナスファミリーになりたての頃は、朝から晩まで毎日毎日「異なる価値観のぶつけ合い」の連続です。価値観の違いは、習慣の違いとも言えます。

☑「おはよう」や「いただきます」の挨拶の習慣の有無

☑朝起きてすぐ歯を磨くのか・うがいだけするのか

☑トイレのふたを必ず閉めるのか・どちらでもいいのか

☑朝食はご飯派かパン派か食べない派か

☑使った食器は子どもが自分でシンクに下げるのか・そのままにして親がするのか

☑雨の日の学校の送迎を親がするのか・傘をさして歩かせるのか

☑忘れ物をしたときには届けてあげるのか・自己責任として忘れたままにさせるのか

朝のたった1~2時間の間にも、たくさんの違いが見えるのですが、これが一日中続くのです。

時々遊びに来る友達なら、さほど負担に感じず「どちらでもいい」と思えることばかりかもしれませんが、毎日毎日、自分の習慣と違うことを目の前で繰り返されると、モヤモヤが溜まっていくのは誰だって当然のことです。

そして、一般的に、継親よりも実親の方が子どもの習慣に対しては甘くなりがちです。
意図して甘くしているというよりも「そんなに気にしていない」という方が正しいのかもしれません。

継親「朝起きたらきちんと挨拶しようよ」
実親「寝起きなんだからぼーっとしてるだけだよ」

継親「トイレのふたを閉めようよ」
実親「別に気づいた人が閉めたらよくない?」

継親「雨が降ってても、よほど激しくなければ傘をさして歩けるよ」
実親「濡れたらかわいそうじゃん、送ってあげようよ」

こんなやりとりは、ボーナスファミリーの中では山のようにあるのではないでしょうか。

ボーナスママは意地悪で言っているのではなくて、子どもが自分でできることは自分でやれるようになった方がいいという価値観を持っているだけなんですが、実親からすると「冷たい」と受け取られることがあります。

また、家族の中でのボーナスママの影響力は低く、無力感を感じることが多くなりがちです。
初期の頃は特にそうです。なぜなら、すでに【実親+継子】は同じような価値観をもっているから。
多数決では絶対に勝てない。

初婚の夫婦は1対1で数が対等だから、お互いに譲れる部分や譲れない部分を見つけていく作業をやれるけれど、ボーナスママは数で負けてしまうんです。

2人の価値観を変えるより、1人の価値観を変える方が、たしかに早い。
痛みを感じる人が、2人よりも1人の方がマシだろうという考えが透けて見えると、げんなりしてしまいますよね。

しかも、子どもは価値観のすり合わせに協力的ではありません。「どうして親が勝手に再婚しただけなのに、自分の生活を変えないといけないのか?」と思う子だっているでしょう。

常に多数決では負け、子どもは非協力的。こんなことが続けばどうなるでしょうか。

いくら伝えても、自分の立場が悪くなるばかりだと悟ったボーナスママは、我慢するか、譲るかしかなくなってしまうんですよ。疎ましがられるだけなら、言っても無駄だなと思ってしまう。

継親子関係が悪化しまったというケースは、こういう価値観の違いからくる衝突の度に“我慢”や“譲る”を選ぶしかなかった虚しさや哀しみが継親の限界を超えて「もう関わりたくない」と諦めてしまった結果、会話がなくなり継子に関心を持たないことで心を保とうとしているんです。

ボーナスファミリーは、価値観のすり合わせがとても難しいことを知ってください。

実親の価値観も、継親の価値観も、どちらにも言い分はあるのです。
いつも同じ方が譲っていませんか?
いつも継親が我慢していませんか?
「子どもなんだから」と継親をなだめる実親さんいませんか?

実親は「自分が親なんだから自分の意見が正しい」とは思わない方がいいです。
継親がどんな思いで伝えているのか「分かろうとする」努力が欲しいところです。


かといって、継親の方も「子どものことを思っているのだから自分の意見が正しい」とは思わない方がいい。
実親が板挟みになって苦しんでいることに「気づこう」としなければ、実親は頑なに継子の肩をもつことになります。

立っている立場が違うだけで、見ている視点が違うだけで、どちらも正しいんです。
ただぶつけ合えってしまえば、衝突するのは避けられない。

自分には自分の価値観があるように、相手には相手の価値観があって。
これまでの人生で経験してきたことがあって。
経験の積み重ねから出来上がってきている分、それを否定されれば反撃したくなります。

価値観って、親から受け継いでいる部分も多いし、違う人生を歩んできた人間。
そもそも「違うもの」だと思って接する方が得策だったりします。

相手の価値観の中から「なるほど、そういう考え方もあるのか」と思えるものを見つけあう姿勢がなければ、ボーナスファミリーの夫婦はやっていけません。

もし、最終的に自分の心地よい暮らしを手に入れられることが目的だとしたら、今どんなふうに伝えればパートナーに少しでも理解してもらえるのかを考えることが大事です。
そして、自分の気持ちを伝えることと同じくらい、パートナーの気持ちを聴く姿勢も大事です。

いつもいつも我慢している状態でさらに相手の気持ちを優先させるのはとても辛いし難しい作業ではありますが、やってみる価値はあります。

こちらの気持ちを理解してほしい、共感してほしいと願うときは、相手も同じように思っていることが多いです。
やってほしいことをまずは先に自分からやってみると、いつもと違う反応が返ってきます。

相手を変えることはできません。
自分を変えることもとても難しいです。
でも、自分を変えられるのは自分だけです。

自分の反応の仕方を変えれば、相手の反応も変わります。
ぜひ、試してみてくださいね。

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